院浪した話
※10/14追記
院試の点数を開示しました
はじめに
自大ではできないCV系の研究がしたくて院試浪人していましたが、この度
に合格しました。
外部受験生や院試落ちした人に少しでも参考になればと思い、B4時の院試落ちから浪人時の合格までの心情や勉強方法をだいたい時系列順にまとめました(まとまってません)。参考になる情報と筆者のくっそどうでもいいポエムが混ざっているので必要なとこだけ読んでください
科目毎の対策は以下の記事に載せてます。
・院試対策(数学編)
・院試対策(専門編)
・院試対策(英語編)
ちなみに筆者は地方公立大学の情報系学部出身(もうすぐ合併されるあの大学)で、成績は良くなかったと思います(特に数学)。
院試浪人の経緯
私はB4のときに京大の知能情報を受験し落ちました。今考えると不合格はかなり自明でしたがそれがわからないぐらい当時は勉強していませんでした。
自分の大学ではやりたい研究ができないことがわかっていた私は、冬入試がないか急いで調べました。そのときに見つけたのが
・東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻
という専攻です。基礎科目が数学ではなくプログラミングだったところまでは良かったのですが、「コンピュータアーキテクチャ」「ネットワーク工学」を始めとする大学で全く勉強していない専門科目のラインナップ、迫りくる卒論、TOEIC660点(当時の私)の前に立ちはだかるTOEFL-IBTの高い壁に私は絶望し冬入試を早々に諦めました。
B4後期
この時期は当然ですがほとんどの時間が卒論に消えていきました。卒論を書き終えたのは2月の後半です。卒論と並行して少しずつではありますが、線形代数と常微分方程式とTOEICの勉強をしていました。数学は学部時代にほとんど勉強をしてこなかったので、かなり初歩的なところから始めました。京大知能情報に合格するためにはTOEICをなるべく早く終わらせることがとても重要だと考えていたので、以前はPart1だけで疲れて勉強を中断してしまっていた自分に喝を入れ、新形式精選模試を中心に試験前2週間ほど集中的に対策しました。その結果、1月の試験で730点、3月の試験で825点といい感じに点数が伸びました。
4月~6月末
大きな出来事は以下の2つ
(1)京大知能情報の出題の変更
今年から試験形式が大きく変わりました。詳細はHPを見てください。とにかく私にとって衝撃だったのは「線形代数」「微積」「アルゴリズムとデータ構造」が必答科目になってしまったということです。ここで、なんとか数学を避けられないかという甘えを捨てて数学を真面目に勉強することを決めました。
(2)東大電子情報に志望を変更
たしかに創造情報は基礎科目はプログラミングで受けれるし専門科目も他の専攻の専門で代替できるしで受けやすかったんですが、CV系の研究室が1つしかない(?)ため第2志望以降の研究室になってしまうと自分の志望とずれて悲しくなりそうだったことや、(1)で数学をちゃんとやると決めていたのでもはや創造情報に拘る必要がなくなったことなどからやめて、CV系の研究室が多い電子情報学専攻に変更しました。
この期間はとにかく数学を勉強しました。しかしただ勉強するのも暇だったので、6月末に行われる数検1級(出題範囲はほぼ大学数学)を受験することにして、これに向けて勉強をしていました(この時期の数検1級を受けるのはかなりおすすめです)。具体的には大学数学系のマセマを全冊やりました。その演習問題として東大情報理工学系研究科の数学の過去問を使っていました(数学に限らず過去問の答えは東大京大ともに入手できなかったので基本的には自分で作っていました。わからない問題は人を雇って解答を作ってもらっていました)。
専門科目は東大電子情報と京大知能情報の両方で出題される「情報理論」の「信号処理」の他に、東大のみで出題される「電気回路」の参考書を読んでいました。
数検がある頃にはこれらの科目は教科書1周した程度でした。ちなみに数検は1冊だけ対策本をやりました(試験形式の問題はあのマ○マの能天気なイラストや文章と格闘する息抜きには最適でした)。ちなみに数検は1次だけ受かっていました。2次はマセマの復習が間に合わず、やったはずの問題ができませんでした(0.3点足らずで落ちました)。ただし数検には時間はあまり割かなかったので1次受かっただけでもラッキーだと思っていました。
ここで今回の受験の難所について書いておきます。東大電子情報と京大知能情報の試験の日程を見てみましょう。
- 京大知能情報
筆記 : 8/5
面接 : 8/6 - 東大電子情報
英語(TOEFL-ITP) : 8/6
筆記 : 8/19
面接 : 8/23
東大の英語(TOEFL)と京大の面接の日程が被っています(去年は被ってなかった)。ただし京大知能情報の面接に関しては筆記試験のボーダー付近の人のみが面接に呼ばれるという説がかなり有力で、余裕で受かるか余裕で落ちるかすれば面接には呼ばれません。面接に呼ばれなければそのまま東大の英語を受けられるので問題ないとして(京大の筆記の翌日に東京でTOEFLを受けなければいけないのが問題ないのかは置いといて)、面接に呼ばれた場合は以下の分岐が生じます。
・東大を諦めて京都に泊まり、翌日京大の面接を受ける
・京大を諦めて東京に泊まり、翌日東大の英語を受ける
面接対象者の発表が面接当日の昼頃(面接とTOEFLはどちらも午後)ということもあり、東大か京大のどちらにいくかをあらかじめ決めておかなければならないという鬼畜設定でした。私は後者を選びました(実際には京大の面接には呼ばれなかったのでこれで大正解だった)。第一志望が東大電子情報だったことや、京大の面接に行っても面接対象者の半数以上が落とされることなどが理由です。
7月~京大試験前
ここまでノータッチだった「アルゴリズムとデータ構造」にほとんどの時間を割いたと思います。あとはひたすら京大知能情報の過去問演習をしていました。
京大知能情報は
基礎 : 「線形代数」「微分積分学」「アルゴリズムとデータ構造」のすべてを回答
専門 : いろいろある中から2つ選択して回答
という試験形式で、専門科目については「統計学」「信号処理」「情報理論」を用意してその中から解けそうな2つを回答するつもりでした。
京大筆記試験当日(8/5)
出題が変更されて初めての年だったので、基礎科目でどんな問題が出るのかと不安がありましたが、問題が基礎的すぎて差がつかないのではないかという不安にすぐ変わりました。ただ、微積で大学入試のような問題が1問出て、それが絶対に間違っているだろう答えしか出なかったので少し焦りました。専門科目は「統計学」と「情報理論」を選択しました。他の科目は見ていませんがその2科目に関しては例年に比べるとかなり易化したと思います。上振れで9割5分、下振れで8割ぐらいの手応えでした(が全然できてませんでした(10/14追記)) 。
試験が終わってすぐに京都駅から東京に向かいました。その日は東大赤門近くのホテルに泊まりました。夜飯は東大前のほ○かほ○か亭で適当に弁当を買いましたが店員さんの接客が悪すぎて(話しかけているのに無視されたり)かなりイライラしたのを覚えています・・・。
東大英語(TOEFL-ITP)(8/6)
TOEFLの勉強は7月に入ってからちまちまやってました。リスニングの本を買ってやってみたら難しすぎたのでそっ閉じしてまず文法の本をやりました。1週間ぐらいで終わったので続けてリーディングの本をやりました。演習時は50問しかないのに時間足りなくて10問ぐらい解けなくて悲しい気持ちになりました。基本的には文法で高得点、長文でまあまあ得点、リスニングでお祈り、という形になると思います。
本番ではリスニングがお祈りなのは変わらなかったですが、長文が演習時より遥かに簡単でした(それでも時間足らずに2問塗り絵だったので終わってますが)。
8/7~東大筆記前
新しいことを学ぶというよりは前にやったことを思い出すとか覚えたことを忘れないようにすることに時間を割いたと思います。ここらへんで電気回路があまりにもできていなかったので、割り切って得意だった論理回路の復習に時間を割きました。
東大電子情報は
共通数学 : 「線形代数」「解析学」「確率統計」の全てに回答
専門 : 8科目から5科目が出題されそのうち3科目を回答
という試験形式です。専門は自分が勉強してきた「論理回路」「アルゴリズムとデータ構造」「信号処理」「情報理論」のうちから3つ出てくれとひたすらお祈りしてました。実際には「アルゴリズムとデータ構造」「情報理論」はほぼ確実に出題され、「信号処理」がほぼ確実に出題されないことが例年の傾向からわかっていたので、「論理回路」が出るかどうかにかかっていました。
東大筆記当日(8/19)
過去問見たらわかりますが情報理工学系研究科の共通数学は難しかったです。第3問の確率統計の問題がよくわからない文章題(大学数学ほぼ関係なさそう)で全く閃かなかったので(1)だけ書いて線形代数と解析学に時間をかけました。楽しすぎて当日ニヤニヤしながら問題解いてたのを覚えています。数学全体で5割前後ぐらいだと思います。
専門は運良く論理回路が出題されました。しかも試験前に見直した加算器についての問題がピンポイントで出ました。それとは反対に、過去問の感じからいい点が取れるだろうと想定していたアルゴリズムとデータ構造で大爆死しておそらく半分ぐらいしか点がなかったと思います。情報理論は6/7解けたので計算ミスを織り込んでもまあまあ点が来るだろうなと言う感触でした。専門科目全体では上振れで7割ちょい、下振れで6割中盤という手応えです。
東大口述試験(8/26)
口述試験についてはいろいろな説が飛び交っていてよくわからないです。たとえば「筆記試験の出来を聞かれたらボーター付近にいるらしい」とか「併願校に受かっていることを伝えると落ちやすい」とか「スーツを着てくると減点される」とか()。ちなみに私はスーツにジャケットも羽織って行きましたし併願校に受かっていることも伝えました(それ以上に東大に合格したら東大に来ることを強調しました)。面接自体はかなりやさしい口調で圧迫面接のそれとは程遠かったです。聞かれた内容は
・どんな研究をしたいか
・併願校の有無と合否、配属された研究室(教授の名前)
・東大に受かった場合に東大に来るのか
・卒論はどんなことをしたのか
・説明会には来たのか
だったと思います。卒論についても特に自分が説明した内容に対して更に掘り下げる質問が飛んでくるようなことはなかったです。
最後に
幸いなことに両方の専攻から合格をいただき、人生の運を全て使い切ってしまったような気がします。
浪人をさせてくれた家族に感謝して大学院でたくさん研究したいと思います。
点数開示したらまた追記します。
点数開示しました(10/14追記)
東大と京大の点数が届きました。
東大電子情報
・TOEFL-ITP : 533/677
・共通数学 : 145/300
・専門 : 210/300
英語に関しては点数の予想がつかなくて不安だったので結果見て安心してます。数学と専門に関してはほぼ予想通りでした。
京大知能情報
・TOEIC : 78/100 (825点提出)
・情報学基礎 : 67/100
・専門 : 65/100
TOEICは満点でも93点(?)らしいです。
散々簡単だと言ってた基礎と専門ひどすぎて笑えない・・・。これで第一志望の研究室入れるんだ・・・。
大学院入試Q&A
何か質問があればコメント欄にどうぞ
ちなみに過去問は配布していません。
Q: 院試の過去問・解答例はどうやって収集するの?
A: 情報系であれば各専攻のHPで直近数年分の過去問(解答例なし)を公開していることが多いです。年度が変わってページが更新されると古い過去問が手に入らなくなったりするので、まだ院試を受けるまでに一年以上ある人はとりあえず今公開されているものは保存しておきましょう。
公開されている過去問よりも古いものが必要な場合は研究室見学などでもらえないか尋ねてみましょう。ただし、東大・京大の人気研究室は内部生も入るのに必死なので、煙たがられる可能性が高いです。なので、そ う で は な い 研究室に立ち寄って先輩におねだりするのがおすすめです。(これで20年分ぐらい手に入れた)
解答例についてですが、東大電子情報や京大知能情報などの倍率が高い専攻は内部に知り合いがいない限り手に入れるのはなかなか難しいです。自分はいなかったので手に入りませんでした。内部生が厳格に管理して門外不出にしている専攻もあると聞きました。
Q: 毎日の勉強計画 (2022/4追記)
A: 専門科目は院試対策(専門編)に書かれているので割愛です。当時の勉強計画表によると数学は2冊/1ヶ月のペースでやっていたようです。
私は浪人していたので院試勉強にフルコミットできていましたが、B4生だと他のことに時間を取られて院試勉強に集中できないのが懸念点だと思います(だから計画が必要)。
でも結論から言うと、院試勉強以外のすべてを捨てるのが院試に受かるための最短経路です。学部の時の研究室の同期で現役(B4)で京大の情報学研究科(知能情報ではない)に受かった友人は、(B3終了時点で学科の主席でしたがその彼でさえ)B4の間は院試が終わるまでは院試勉強以外のすべてを放置していました(研究はやってなかったし、ラボミーティングにすら来てなかった)。今思えばそうするのが正しいと思います。卒業できなくなることだけは避けて、それ以外は院試勉強にフルコミットしましょう。
情報系大学院入試 重要問題 サンプリング定理
信号処理(サンプリング定理)の問題です。
京大知能情報・東大電子情報のどちらの専攻でも頻出の問題です。

「ある連続信号を周期的にサンプリングした信号のスペクトルはもとの連続信号のスペクトルが周期的に現れるような形になる」という現象を導く問題です。
回答例です↓

詳しくは信号解析入門 (電子・情報基礎シリーズ)をご参照ください。
とてもわかり易くまとめられていておすすめの参考書です。
院試対策(英語編)
京大知能情報でTOEICを事前受験し、東大電子情報でTOEFL-ITPを当日受験しました。
TOEIC
まず単語ですが単語帳で覚えるのが苦手だったので、
・iKnow!
というiPhoneのアプリを使っていました。○進の高速暗記マスター英単語センター1800に近いです。
次にリスニングとリーディングですが友達から借りた旧形式の
・TOEICテスト究極のゼミ
・最厚ドリル
シリーズをやっていましたがB4の時にあまりやる気がなかったので660点しか取れませんでした。そこから
・TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング
・TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング2
・TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング2
を買いました。私がやってない初版のリスニングもやることをおすすめします。この三冊で660→730→825と伸びました。長文の時間足りない現象はもう慣れしかないと思います(部分的に読む、とかは結局うまくいかないと思っています)。
TOEFL-ITP
単語はTOEICと同じくiKnowでちょこちょこやってましたが時間なかったんでほぼやってないです。問題演習で出てきた単語を覚えてくぐらいしかできませんでした。
リスニングは
・TOEFL ITPテストリスニング問題攻略
を使いました。わからないなりにとりあえず1周して、隙間時間に繰り返し聞いてました。
文法は
・全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策
を2周しました。この一冊で十分です。
長文は
・TOEFL ITP(R)テストリーディングスピードマスター
を1周して隙間時間に解いた問題を読み返したりしてました。
結局通しで解いたのは本番が初でしたがなんとかなりました。 リーディングは練習ではいつも大問丸々1つ解き終わらないことばかりだったので本番のリーディングは常に時計を見て10~11分で大問一つ無理矢理終わらせてとにかく最後まで解くことにしました。
点数開示したらまた載せます。
院試対策(専門編)
はじめに
この記事では私が
・東京大学大学院 情報理工学系研究科 電子情報学専攻
・京都大学大学院 情報学研究科 知能情報学専攻
を受験するためにした専門科目の勉強法や参考書などを書きました。
専門科目では数学よりも遥かに大学の色が出るので、受験する大学の授業で使われている教科書は必ず読んでください。院試で受かるためには他の受験生(特に内部生)が答えられる問題を落とさないことが非常に重要です。別記事に書きましたが、京大知能情報で内部生が授業で使っていたテキストに書かれている知識問題がそのまま出ました。
私と同じように東大電子情報と京大知能情報を受ける場合はまず2つの専攻に共通している科目からやるのが良いと思います。具体的には
・アルゴリズムとデータ構造
・情報理論
・信号処理
です。
この3科目をやれば京大知能情報ではあとは数学をやるだけで最低限戦えます。
また東大電子情報では最近の傾向からすれば専門の3科目中2科目を必ず確保できることになります。さらに
・電気回路と電子回路
・論理回路と計算機アーキテクチャ
・ネットワーク工学と通信情報工学
のうちどれか1セット(2科目)をやれば最低でも3科目取り組めないということはなくなります。ちなみに私の場合はこの中で論理回路しかまともに勉強していなかったので、計算機アーキテクチャが出題された場合はティウンティウンしてました。
参考になるかわかりませんが、私は
・論理回路(B4の9月)
・情報理論(4~6月)
・信号処理(5月)
・電気回路(※)(6月)
・アルゴリズムとデータ構造(7月~)
の順で勉強をしました。私が受験した年に限って言えばこれで正解だったと思います。(※)が付いているのは教科書は一周したが全く院試レベルに達しなかった(初見の問題が解けそうになかった)科目です。特に東大電子情報では受ける年によって出題される科目が違うのであまり参考にならないかもしれません。
ここからは各科目について参考書や所感を書いていきます。
信号処理
東大電子情報と京大知能情報に共通する科目のうち、最もコスパが高いのは信号処理だと思うのでまずこれについて書きます。
信号処理で使った教科書は2冊で
①信号解析入門 (電子・情報基礎シリーズ)
②信号処理 (新世代工学シリーズ)
です。①は東大の授業で使われている教科書で、めちゃくちゃわかりやすいです。これ以上にわかりやすくまとまっている本はそうないと思います。3章までの約150ページで院試で問われる内容をほぼカバーすることができます。知能情報だけ受けるという方でもこのテキストで勉強することを強くおすすめします。
②ですが、単に京大の授業で使われていたという理由で読みました。中身はわかりやすいとは言えないので、例題や演習問題だけ解きました。
また信号処理の院試対策といえば某サイトが有名ですが、私はあの会話形式の文章が苦手で頭に入ってこなかったので見てません。
具体的な対策についてテーマごとに書いていきます。
サンプリング定理
頻出です。京大知能情報の2018年実施(2019年入学)の信号処理の問題が良い練習問題になっています。東大電子情報でもサンプリング定理に関する出題は何度もされています。
z変換
こちらも頻出です。z変換はやり方を覚えれば簡単です。システムのインパルス応答を求めるときは留数を求めて逆z変換で解くのがおすすめです。慣れれば高速で解けます。頻出のインパルス応答は容易に検算ができるのもこの科目を選択する理由になると思います。
FFT
たまに出ます。①には時間間引きのFFTしか載っていませんが時間間引きと周波数間引きによる2つのやり方があるそうです(筆者は直前まで時間間引きしか知りませんでした)。ただし時間間引きができるのであれば周波数間引きもすぐできると思います。
情報理論
情報理論で使ったテキストは以下の1冊のみです(最近改訂版が出ていたのでそちらのリンクを張りました) 。
・情報理論 改訂2版
通称今井本です、有名ですね。大学院入試で問われる情報理論の全てがこの一冊に詰まっていると言えるでしょう。ただしこのテキストには一つだけ難点があります。それは、初学者にとっては演習問題が難しすぎるということです。解答は付いていますが親切とは言えない程度しか書いていないので、方針からよくわからないような場合はほぼ解答が役に立ちません。そこで、独学で情報理論を学ぶ方のために、演習問題の解答例を一部公開することにしました。参考になればうれしいですが自分が載せたいと思った問題しか載せてません()
情報理論に関しては、東大電子情報と京大知能情報の他に
・京都大学大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻
の過去問は基本問題が多く取り組みやすいと思います。逆に京大知能情報の問題は取り組みにくい問題が多く自信を失う原因にもなるので、私はわからない問題は放置してました。教科書7章の通信路符号化法に関する問題は京大通信情報システムではよく出題されているので良い練習になると思います。ちなみにここ10年間で一度だけ東大電子情報で出題されました(京大知能情報では出題されていないようです)。
実は東大電子情報では情報理論はほとんどが記憶のある情報源(簡単なときは記憶のない情報源)についての出題で、エントロピーを求めたりハフマン符号化して平均符号長を出したりする程度の問題しか出ないので、選択できるときは選択したい科目の一つです。
アルゴリズムとデータ構造
これも手間がかかる科目になります。
使ったテキストは以下です。
①データ構造とアルゴリズム (新・情報 通信システム工学)
②データ構造とアルゴリズム (共立出版)
③アルゴリズムイントロダクション 第1巻・第2巻
①は必要最低限の有名アルゴリズムを必要最低限の説明と擬似コードのみでまとめたかなり薄い本です。東大電子情報ではほとんどがこの本に載っているテーマ(アルゴリズム)から出題されます。しかし当然この本だけでは電子情報の入試には耐えられない(テーマは同じだが教科書に載っていないことを問うてくる)ので、アルゴリズムイントロダクションを使って大学院入試レベルの知識をつけてください。ただし私が受験したときは①の教科書から出なかったため小問4つのうち2つしか回答できませんでした。ただしこのようによくわからないところから出題されたときには周りの受験生もあまり得点できないのでそんなに差はつかないかもしれないです。
具体的な対策方法としては
・何度も疑似コードを読む
・擬似コードを書く(有名アルゴリズムは何度も書いて覚える)
・Python実装する
以上3点です。クイックソートのパーティションなどの「なんでそんなの思いつくの?」系のアルゴリズムは1度読んだだけではお気持ちが全く理解できないことが多いので何度も読み返して何度も納得することが大切だと思います。実装についてはソートアルゴリズムだけやりました(グラフアルゴリズム系は本筋のコード以外の記述が多くてめんどくさい)。
②については京大の授業で使用されている教科書です。①が有名アルゴリズムをとにかくピックアップして紹介しているのに対して、こちらはアルゴリズムの動作や考え方についてよく書かれていると思います。ただし、かなり抽象的(というか一般的?あまりいい言葉が見つかりませんでした)で、たとえばこの教科書の索引には「ダイクストラ」という文字列が見当たりません。ではダイクストラ法が載っていないのかというとそういうわけではなく、無名のアルゴリズムとしてしっかり説明されています。不思議な教科書です。
試験については京大知能情報ではソート系がよく問われ、東大電子情報ではグラフ系がよく問われるという印象です(が私が受験した年の東大電子情報はグラフアルゴリズムではない問題でした)。
論理回路
東大電子情報ではおよそ2年に一度の周期で論理回路が出題されます(論理回路が出題されない年は計算機アーキテクチャが出題されます)。
この科目はおそらく東大電子情報の専門科目の中で最もコスパが良い科目だと思ってます。その理由として
(1)大学数学の事前知識がいらない(高校数学のn進数の知識は必要)
(2)問題と解き方がほぼワンパターン
(3)覚えることがほとんどない
などが挙げられます。(2)についてですが、この科目は与えられた入出力を達成する論理回路を作ろうという問題形式になっていることがほとんどです。たとえば東大電子情報では前半の小問で簡単な回路を作らせ、後半の小問でそれらを組み合わせて複雑な回路を作る、といった問題形式が多いです。やってることは結局回路を作るだけです。またどんな入出力に対しても回路構成の手続きは全く同じです。よって東大電子情報に限って言えば、回路構成の手続き以外に覚えることはないでしょう。
教科書は以下の二冊を使いました。
①論理回路入門 (培風館)
②論理回路入門 (森北出版)
①は東大の授業で使われている教科書です。試験範囲を網羅していますが、一部図鑑的にかかれていてとっつきにくい面があるので②を補助のテキストとして使いました。②は発展的な内容は載っていませんが基礎を固めるのにはかなり良い本でした。順序回路を構成する手続きがきちんと書いてあるのがよかったです。まず②からやることをおすすめします。
他には試験対策というには大げさですが
・論理回路シミュレータ SimcirJS
を使って自分が導いた回路が合っているか確認してました(素子は持っていたが実際に回路を組むのはあまりにも面倒)。
大学数学の知識が必要なく、暗記することがほとんどないため時間を置いても少し復習すればすぐに思い出せるので、この科目はなるべく早めに手を付けてまず1科目確保して安心するのがおすすめです。

